【CDL】WEB問題集:デジタル変革とGoogle Cloud編

WEB問題集

CDL#1(digital-transformation)

ある製造業の経営層は、需要変動の大きい新規 EC サイトを立ち上げる際、初期投資を抑えつつ売上のピーク時にもパフォーマンスを維持したいと考えています。デジタル変革の観点から、この企業がパブリッククラウドを採用する最も中心的なビジネス価値はどれですか。

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正解:A

【正解: A】の理由

需要変動が大きい新規 EC サイトでは、初期にどれだけのサーバー容量が必要かを正確に予測することが難しく、オンプレミスで固定的にハードウェアを購入すると、ピークに合わせれば平常時に遊休設備が生じ、平常に合わせればセール時に性能不足に陥ります。パブリッククラウドは需要に応じてリソースを分単位で伸縮でき、使った分だけ支払う従量課金により、初期投資 (CapEx) を運用費 (OpEx) へ置き換えられます。これにより経営層は大きな設備投資リスクを負わずに新規事業を素早く立ち上げ、売上ピーク時にはスケールアウトでパフォーマンスを維持し、閑散期には縮小してコストを最適化できます。俊敏性 (アジリティ) とコスト最適化を同時に実現するこの特性こそが、デジタル変革の中核的なビジネス価値です。したがって A が最も適切です。

【サービス比較】

判断軸パブリッククラウドオンプレミス
初期投資不要 (OpEx)大きい (CapEx)
スケール速度分単位で自動伸縮調達に数週間以上
コスト構造従量課金で無駄が少ない固定資産で高止まり

【他の選択肢が不適切な理由】

  • B: パブリッククラウドを採用してもハイブリッド構成でオンプレミス資産を併用する企業は多く、ハードウェアの全廃自体が採用の中心的な価値になるわけではありません。
  • C: 責任共有モデルにより、データ分類やアクセス制御、ID 管理などの責任は顧客側に残るため、セキュリティを 100% 事業者に委ねることはできません。
  • D: マルチクラウドや標準技術の採用で依存度は軽減できますが、ロックインの完全回避は保証されず、クラウド採用の中心的な価値とは言えません。

【参考】

What is cloud computing?
CDL#2(digital-transformation)

ある金融機関は、規制対応のため一部のワークロードを自社データセンターに残しつつ、新規開発のアプリケーションは Google Cloud で構築する方針を採用しました。この構成を表す用語はどれですか。

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正解:D

【正解: D】の理由

規制対応のために一部のワークロードを自社データセンターに残しつつ、新規開発のアプリケーションはパブリッククラウドで構築するという構成は、オンプレミス (またはプライベートクラウド) とパブリッククラウドを組み合わせて要件に応じて使い分けるハイブリッドクラウドに該当します。機密性や規制の厳しいデータは自社内に保持して統制を維持しながら、変化の速い新規開発ではクラウドの俊敏性やスケーラビリティを享受できるため、金融機関のように可用性と規制順守の双方が求められる組織に適した形態です。両環境をネットワークや ID 基盤で相互に連携させることで、既存資産を活かしながらクラウドへ段階的に移行する現実的な受け皿にもなります。したがって D が最も適切です。

【サービス比較】

形態定義典型用途
ハイブリッドオンプレ + パブリック規制対応 + 新規開発
マルチ複数のパブリッククラウドベンダーロックイン軽減
プライベート自社専用クラウド高規制業種

【他の選択肢が不適切な理由】

  • A: マルチクラウドは複数のパブリッククラウド事業者を併用する構成を指す用語であり、自社データセンター (オンプレミス) との組み合わせを表すものではありません。
  • B: プライベートクラウドは自社専用に構築・運用されるクラウド環境を指し、パブリッククラウドとの併用という本シナリオの構成は表現できません。
  • C: コミュニティクラウドは同じ業界や目的を共有する複数組織が共同利用する形態であり、本シナリオのオンプレとパブリックの併用には該当しません。

【参考】

What is hybrid cloud?
CDL#3(digital-transformation)

あるスタートアップは、開発者にサーバーの管理やパッチ適用などのインフラ運用を意識させず、アプリケーションコードのデプロイだけに集中させたいと考えています。最も適したサービスモデルはどれですか。

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正解:C

【正解: C】の理由

開発リソースの限られたスタートアップにとって、OS のパッチ適用やミドルウェアのバージョン管理、スケーリング設定といったインフラ運用は本質的な差別化を生まない負担となります。PaaS は、事業者が OS・ランタイム・ミドルウェア・ネットワークまでを管理し、利用者はアプリケーションコードと最小限の構成だけに責任を持つサービスモデルです。Google Cloud では App Engine や Cloud Run が代表例で、コードをデプロイするだけで実行環境の準備・自動スケール・パッチ適用が行われ、開発者はビジネスロジックの実装と改善に集中できます。市場投入までの時間を短縮しつつ運用要員を最小化できる点が、この要件に最も合致します。

【サービス比較】

モデル顧客管理事業者管理
IaaSOS / アプリ仮想化・物理層
PaaSアプリ / データOS・ランタイム含む
SaaSデータ・設定のみほぼすべて

【他の選択肢が不適切な理由】

  • A: IaaS は仮想マシンや OS の管理が顧客側に残るため、開発者がインフラ運用を意識せずデプロイだけに集中したいという要件には合致しません。
  • B: SaaS は完成済みのソフトウェアを利用する形態であり、利用者が独自のアプリケーションコードをデプロイして動かす開発用途には対応していません。
  • D: コロケーションは自社の物理サーバーをデータセンターの区画に設置して借りる形態であり、そもそもクラウドのサービスモデルには該当しません。

【参考】

What is PaaS?
CDL#4(digital-transformation)

ある企業は Compute Engine 上で業務システムを稼働しています。責任共有モデルにおいて、この企業 (顧客) が引き続き責任を持つ項目はどれですか。(2 つ選択)

(2つ選択)

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正解:A, D

【正解: A / D】の理由

責任共有モデルは、クラウド移行時にどこまでを自社が守り、どこからをプロバイダへ委ねるかを明確化する、経営とセキュリティ上の重要な判断軸です。Compute Engine のような IaaS では、Google Cloud が物理データセンター、ハードウェア、ハイパーバイザーなどの基盤を運用する一方で、その上で動くゲスト OS、ミドルウェア、アプリケーション、そしてアクセス制御は顧客の責任として残ります。したがって顧客はゲスト OS のパッチ適用やセキュリティ設定を継続的に行い、IAM ロールとアプリのアクセス権限を最小権限の原則で設計・維持する必要があります。この境界を正しく理解することは、コンプライアンス遵守とインシデント防止に直結し、クラウド導入計画の初期段階で最初に整理すべき事項となります。

【サービス比較】

レイヤ責任
物理 DC / ハードウェアGoogle Cloud
ハイパーバイザーGoogle Cloud
ゲスト OS / ミドル顧客
IAM / データ顧客

【他の選択肢が不適切な理由】

  • B: 物理データセンターの入退室管理や施設の物理セキュリティは、IaaS を含む全モデルで Google Cloud が一貫して担う領域であり、顧客が運用に関与することはありません。
  • C: ハイパーバイザーのアップデートやホスト OS のパッチ適用は仮想化基盤の保守であり、Google Cloud の責任範囲に属します。顧客がこの層へ手を加えることはできません。

【参考】

Shared responsibility and shared fate
CDL#5(digital-transformation)

ある企業の CFO は、オンプレミスからクラウドへ移行することで、サーバーの大規模な購入計画を毎月の利用料に置き換えたいと考えています。この財務上の変化を最も適切に説明する用語はどれですか。

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正解:C

【正解: C】の理由

オンプレミス時代は、サーバーやストレージをまとめて購入するために多額の初期投資が必要で、これは資本的支出(CapEx)として資産計上され、数年かけて減価償却していく会計処理が求められました。クラウドの従量課金モデルへ移行すると、この一括購入が利用量に応じた毎月の費用へ置き換わり、営業費用(OpEx)として計上されるようになります。これが CapEx から OpEx へのシフトです。企業にとっては、先に大きな固定資産を抱え込む必要がなくなり、需要の増減に合わせて支出をきめ細かく制御できるようになるため、キャッシュフローと財務の柔軟性が大きく向上します。将来の需要が読みにくい新規事業でも、使った分だけ支払う構造であれば過剰投資のリスクを避けられ、DX への投資判断を素早く下せる点が経営上の大きな利点となります。

【サービス比較】

項目CapExOpEx
支払い初期に一括使った分だけ
会計処理資産計上・減価償却費用計上
柔軟性低い高い

【他の選択肢が不適切な理由】

  • A: 減価償却の延長は既存の固定資産に対する会計上の調整にすぎず、ハードウェア購入を月次の利用料へ置き換えるというクラウド移行の財務変化を説明する用語ではありません。
  • B: シナリオは初期一括購入(CapEx)を月次費用(OpEx)へ置き換える方向であり、OpEx から CapEx へのシフトは向きが逆で、クラウド移行の実態とは矛盾します。
  • D: クラウドは物理的なサーバー在庫を自社で保有しない方向へ進むため、在庫資産が増加するという説明は実際の効果と正反対で、財務上の変化を正しく表していません。

【参考】

Cloud economics