WEB問題集
ある SaaS 企業は、3 年間継続して稼働している EC2 ベースの本番ワークロードを運用しています。ワークロードは平日昼間にピークを迎え、夜間と週末には負荷が大きく低下しますが、最低でも 40% のキャパシティは常時必要です。Compute Optimizer の推奨では、複数のインスタンスタイプとファミリー (m5、m6i、c6i) を併用すべきとされました。財務部門は今後 3 年で最大の割引を確保しつつ、技術チームには将来的なインスタンスファミリー変更の柔軟性を維持してほしいと依頼しています。もっともコスト効率の高い購入戦略はどれですか。
正解:A
正解の根拠
Compute Savings Plans は EC2、Fargate、Lambda の利用にまたがって割引を適用でき、インスタンスファミリー、サイズ、リージョン、テナンシーを問わず柔軟性が最大です。3 年・全額前払いで最大の割引率となり、ベースライン (40% 必須) のカバーに最適です。
| 購入方式 | 柔軟性 | 3 年全額前払い割引 |
|---|---|---|
| Compute Savings Plans | 最高 (ファミリー/リージョン横断) | 最大 66% |
| EC2 Instance Savings Plans | 同一ファミリー内のみ | 最大 72% |
| Standard RI | 低 (サイズ柔軟のみ) | 最大 72% |
| Convertible RI | 中 (交換が必要) | 最大 66% |
不正解の理由
- B: m5 限定でコミットすると c6i 移行時に割引が無効化されコスト増になり柔軟性も失われます。
- C: Standard RI はファミリー変更が不可で、Marketplace 売却は手間と価格リスクが大きく現実的ではありません。
- D: Convertible RI は柔軟ですが交換手続きが必要で、Compute Savings Plans より運用負荷が高くなります。
ある金融企業は、S3 に蓄積した 50 TB のトランザクションログを分析基盤で利用しています。最新 30 日間のログは Athena で頻繁にクエリされますが、それ以降は四半期ごとの監査時のみアクセスされ、5 年間保持する規制要件があります。アクセスパターンは部分的に予測不能で、過去のログにも突発的なアクセスが発生します。運用負荷を抑えながらストレージコストを最適化する戦略はどれですか。
正解:B
正解の根拠
S3 Intelligent-Tiering はアクセスパターンが不明または変動するデータに最適です。Archive Access (90 日非アクセス) と Deep Archive Access (180 日非アクセス) を有効化することで、突発的なアクセスにも追加コストなしで対応しつつ、長期保管コストを Glacier 並みに削減できます。取得料金や最小保持期間も発生しません。
| 方式 | 突発アクセス対応 | 運用負荷 |
|---|---|---|
| Intelligent-Tiering | 自動・追加料金なし | 最小 |
| 固定ライフサイクル | 復元コストと時間が発生 | 中 |
| Lambda 個別操作 | 可能だが複雑 | 最大 |
不正解の理由
- A: Deep Archive からの復元は最大 12 時間と高コストで、突発アクセス要件に合わず運用負荷も増します。
- C: 固定ルールは予測不能なアクセスに対し復元コストや遅延が発生し、突発アクセス要件を満たしません。
- D: Lambda での個別管理は実装と運用が複雑で、Intelligent-Tiering の方が単純で安価かつ効果的です。
ある製造企業は、画像解析パイプラインを Amazon EC2 のオートスケーリンググループで稼働させています。ジョブはステートレスで処理が中断されても再実行可能であり、処理完了までの SLA は 24 時間と緩やかです。一方、夜間バッチでは大量の処理が必要となります。財務部門はコンピュートコストを最大限削減することを求めています。運用負荷を抑えてコスト最適化を実現する戦略はどれですか。
正解:C
正解の根拠
ステートレスかつ中断可能なバッチワークロードでは、Spot Instances により最大 90% のコスト削減が可能です。EC2 Fleet で複数のインスタンスタイプを指定し、capacity-optimized 配分戦略を採用することで中断率を最小化できます。SQS と組み合わせて中断時にジョブを再キューイングすれば、フォールトトレラントなパイプラインが構築できます。
| 方式 | 削減率 | 耐中断性 |
|---|---|---|
| Spot + EC2 Fleet + SQS | 最大 90% | 高 (再キュー) |
| 100% Spot ASG | 最大 90% | 中 (再キュー機構なし) |
| RI ピーク容量 | 最大 40% | 不要 |
不正解の理由
- A: 100% Spot 構成自体は良いですが、中断時のジョブ再実行機構がなく失敗リスクが残ります。
- B: 画像解析は Lambda の 15 分制限に収まらない場合があり、書き換え工数も大きくなり改善になりません。
- D: ピーク分の RI は夜間以外に遊休となり、Spot より高コストで運用負荷も増えます。
参考:EC2 Fleet
ある小売企業は、Amazon RDS for MySQL を本番 DB として稼働させています。読み取り負荷の増加によりレスポンスタイムが悪化しており、特に商品カタログの参照クエリ (同一クエリの繰り返し) が CPU を占有しています。アプリケーションは EC2 上で稼働し、書き込みは 1 日 1 万件程度ですが読み取りは 1 日 5,000 万件に達します。コードの大幅な変更を避けながらレスポンスを改善する施策はどれですか。
正解:B
正解の根拠
読み取り重視で同一クエリが多いワークロードには ElastiCache for Redis のキャッシュ層導入が最適です。cache-aside パターンであればアプリケーション変更を最小限に抑えつつ、RDS への負荷を劇的に減らしレスポンスを改善できます。書き込み量が少ないため、キャッシュ無効化の運用も簡素です。
| 方式 | レスポンス改善 | コード変更 |
|---|---|---|
| ElastiCache cache-aside | 大 (μs オーダー) | 小 |
| RDS Proxy | 限定的 | 小 |
| 垂直スケール | 中 | 無 |
不正解の理由
- A: RDS Proxy は接続プーリングが目的で、CPU バウンドな読み取り改善には効果が限定的です。
- C: 垂直スケールはコスト増の割に伸び代が小さく、CPU 占有の根本対策になりません。
- D: マテリアライズドビュー方式はクエリ全面書換が必要で「コード変更回避」要件に反します。
ある企業は、複数の AWS リージョンで動作する複数のマイクロサービスからの S3 へのデータ転送料金が予想を超えていることに気づきました。調査の結果、同一リージョン内の VPC 内 EC2 から S3 へのアクセスが NAT Gateway を経由しており、データ処理料金とトラフィック料金が発生しています。コードの変更なしにデータ転送コストを最小化する方法はどれですか。
正解:A
正解の根拠
S3 用 Gateway VPC エンドポイントは無料で、ルートテーブルへのプレフィックスリスト追加だけで NAT Gateway をバイパスできます。アプリケーションコードの変更は不要で、データ処理料金とトラフィック料金の両方が削減されます。
| 方式 | 料金 | コード変更 |
|---|---|---|
| Gateway Endpoint | 無料 | 不要 |
| Interface Endpoint | 時間+データ料 | DNS 指定が必要 |
| NAT Instance | EC2 料金 + 運用 | 不要 |
不正解の理由
- B: Interface Endpoint は時間課金とデータ処理料金が発生し、Gateway Endpoint より高くなります。
- C: NAT Instance は単一障害点と運用負荷を生み、データ料金問題は根本的に解決しません。
- D: CloudFront 経由は読み取り中心の配信用で、書込みやサーバー側用途には不適切な構成です。
